当クリニックで行っているカウンセリング「認知行動療法」について
認知行動療法とは
私たちは日々さまざまなことを経験し、色々なことを考え、行動しながら暮らしています。
いつもはうまく判断して対処できることでも、強いストレスを受けている時や気分が落ちこんでいる時は極端な考え方をしてしまいがちです。
その結果、憂うつ感や不安感が強まって、さらにうまくいかなくなり…と悪循環になってしまうこともあります。
認知行動療法では、認知(ものの受け取り方や考え方)や行動(何をするか、どう振る舞うか)を変えることで、困りごとを解決したり辛い気分をやわらげたりするスキルを学びます。
これらを通して悲観的になりすぎず、かといって楽観的にもなりすぎず、現実的でしなやかな生き方ができることを目指します。
困りごとを解決しやすくなるよう、患者さんご自身が自分の治療者になることも目標の一つです。
認知行動療法は不安症やうつ病、不眠症、境界性パーソナリティ障害など様々な精神疾患に効果があることが実証されています。
当クリニックでは集団認知行動療法(参加される皆さんと、医師・公認心理師のグループ)も実施いたします。
現在、境界性パーソナリティ障害の弁証法的行動療法への参加申し込みを受け付けています。
また、今後他の精神疾患に対する集団認知行動療法も行う予定です。
- 治療の回数は、それぞれの治療グループで異なります。
- 毎回のセッションで取り組む内容はあらかじめ決まっています。
- 治療効果を上げるため、毎回ホームワークがあります。
グループで行うことで、こんなことが期待できます
- モチベーションが維持しやすい(やる気が続きやすい)。
- 個人でカウンセリングを受けるよりも効果が大きい。
- うまくいかない時、他の参加者からサポートが得られる。
集団認知行動療法に参加していただくことが有効かどうか、医師にご相談ください。
なお、グループに参加する前に心理検査を受けていただきますので、ご了承ください。
① DBT(弁証法的行動療法)
マーシャ・リネハンによって開発された、境界性パーソナリティ障害の“慢性的な自殺傾向を持つ人”に対する包括的認知行動療法です。
治療効果が科学的に最も裏付けられている治療法です。
対象
- 境界性パーソナリティ障害を持つ女性
境界性パーソナリティ障害についてはこちらをご覧ください - 自傷行為で悩んでいる女性
1グループあたり3~6名が参加予定です。
治療開始前に症状確認や心理検査に1か月程度時間を要します。
治療スケジュール
1クール24週、合計2クール利用が標準となります。
① 通院治療
週1回医師の診察があります。集団認知行動療法で学んだことを振り返ったり、練習・経験不足を補ったりします。
グループに参加することで生じる悩みについても相談します。
② 集団認知行動療法(スキルトレーニング)
週1回90分、4つのスキルをトレーニングします。
毎週土曜日、午前の診療終了後に行っております。
- マインドフルネススキル
- 苦悩耐性スキル
- 情動調節スキル
- 効果的な対人関係スキル
③ 電話コンサルテーション
自殺関連行動を取りそうで、自ら対処できない場面で、5~10分の電話相談を行います。
相談内容は「スキルトレーニングで学んだ対処スキルのうち、現在どの対処スキルを実行できるか」のみに焦点化しています。
弁証法的行動療法に参加している方のみ、クリニックの診療時間内(9:00~12:30、15:30~18:30)に受け付けています。休診日は受け付けていません。