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全般性不安症(GAD)

全般性不安症は不安神経症とも呼ばれる、不安が原因として起こる病気です。

うつ病などとは異なり、全般性不安症には特徴的な症状がありません。

全般性不安症とは、どんな病気?

どんな病気かなのかということを理解するためには、まず「不安とは何か」を考えてみましょう。

不安は“未知なことがあるとき”や“コントロールできないものがあるとき”に生じる感情です。

そもそも不安は、何かしらの危険を感じた時にアラームとして生じるものであり、危険から身を守るために必要な感情であることは確かです。

通常の状態であれば、安全が確認・認識されることで、不安は消えていきます。

しかし、この不安が過剰になり、コントロールできないまま苦痛が強くなり、危険がない事柄に対しても不安が生じ、それが持続してしまう状態が全般性不安症です。

アメリカの調査では、一生の間に全般性不安症にかかる方の割合は3~5%であり、女性がかかりやすい傾向があります。

全般性不安症の症状

患者さんが感じる不安や心配の原因は、ある特定のことに限定されるわけではありません。

また、原因が一つであるとも限りません。家庭、会社、学校、近所付き合いをはじめ、地震などの天災、海外での戦争など、自分に関係するものだけに限らず、あらゆるものが不安の対象になります。

自分ではどうすることもできない事についても深刻に悩み続け、心はもちろん身体の症状も悪くなり、日常生活に支障をきたすようになります。

  • 疲れやすい
  • 落ち着かない、ソワソワする、緊張する、過敏になる
  • だるい
  • めまい、ふらつき
  • 集中できない
  • 肩こりが続く
  • 眠れない

全般性不安症の治療

お薬の治療が基本になります。中でもSSRIという抗うつ薬が治療の中心となります。

深呼吸や有酸素運動なども有効ですので、ご自身で行える方法も合わせてお話をさせていただきます。

認知行動療法も効果がある場合があります。不安に繰り返し向き合う練習が必要であり、時間も必要です。

認知行動療法が適切かどうかは専門的な判断が必要ですので、希望のある方には医師への相談をおすすめ致します。

自分が全般性不安症かどうか

全般性不安症は、日本ではまだあまり知られていません。

身体に現れる症状も多様で、一般内科などを受診しても原因がはっきりとはわからず、身体的な病気を疑い様々な科の受診と検査を繰り返されている方も多いと思われます。

全般性不安症は、うつ病やパニック症、社会不安症などに併存しやすく、さらに不安を紛らわせるために過剰に飲酒しアルコール依存症を発症することもあります。

それらを防ぐためにも、不安や体調不良が長く続いていると感じたら、是非ご相談ください。

家族や周囲が気づいた場合

全般性不安症の患者さんは、周囲からは心配症であるように見えることがあります。

そのため、初めのうちは不安や不調の訴えを聞いてあげることができても、同じことを繰り返していると徐々に話を聞くことが面倒になってしまうことがあるかもしれません。

不安や心配にゆっくりと耳を傾け、理解を示すことは患者さんにとって安心感を与えます。

まずはじっくりと話を聞いた上で、これまで元気だった方が不安と体調不良を訴え続けていると感じた場合は、全般性不安症を疑って、早期に受診するようおすすめください。

きちんと治療を受けることで全般性不安症の症状は回復していきます。

もしも思い当たることがありましたら、「違うかも」「気のせいかも」と思っていても、お話をゆっくりと聞かせていただいて診断しますので、まずはご相談ください。

就労・復職のためのデイケアも行っております

病気のコラム
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(心的外傷後ストレス障害)

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