社交不安症(SAD)
人前に出ると「恥ずかしい思いをするのではないか」と不安や緊張してしまうことは誰もが経験したことがあるでしょう。
通常であればそれはごく自然なことなのですが、社交不安症は、「人から悪く思われている」と必要以上に気にしてしまう病気で、不安や緊張の度合いが大きく、紅潮、発汗、ふるえ、腹痛などの症状が現れる場合もあります。
また、「このような症状がまた出てしまうのではないか」という不安により、人が集まる場所を避けるようになります。
その結果、学業や就業、さらには結婚などの社会生活に大きな問題を抱えてしまいます。
社交不安症を発症する原因はまだ解明されていません。
社交不安症の症状が出やすい場面
- 会議中(特に自分の報告・発表など)
- 人前で何かをするとき
- 上司やあまり面識のない人と会話するとき
- 試験や仕事の面接を受けているとき
社交不安症の治療
薬物療法が中心となりますが、認知行動療法が効果的な場合もあります。
薬物療法
抗うつ薬(SSRIもしくは三環系抗うつ薬)が治療の中心となります。
お薬の効果は飲み始めて1~2ヵ月ほどで出てきますが、この時点で服用を止めてしまうと再発の可能性が高まります。
症状がなくなっても自己判断をせず、医師の指示に従ってお薬の服用は継続していきましょう。
認知行動療法
「人から悪く思われている」という考えや、不安を減じるために行ってしまう行動(安全行動・回避行動)を修正することで不安を減らし受け止める練習を行います。
不安に繰り返し向き合う練習が必要であり、時間も必要です。
認知行動療法が適切かどうかは専門的な判断が必要ですので、希望のある方には医師への相談をおすすめ致します。